投稿者: snowspike55

  • 静まりし二つの羽根4

    story14

    つづく積み木

    イエムは閉ざされた開眼のない世界の延長線上の過去から、一人部屋で辺りの声に耳を澄ましていた。

    だが、しかし目を開けてよく見ると、サーカス団のピエロが、しなりくねり、する世界のなかにいたような、昔の今の世界から覚めたような気がしていた。ドッペルゲンガーでもう一人の自分、弟と合わさり、そして、サーバー修復とメンテナンスの毎日を送るうちに、昔の今の自分のいるはずの道の世界か、いつの間にか、、、

    がわからなくなっていた。

    合わさり、河を越える自分よりも、一人でいるようで、一人じゃない自分、こころの許容範囲とか、行為主体ということが、まわりにわからない、霊の、つまり数々の御霊の言葉を受ける時、それをみとめ過ぎたら、その先に、気になるのはどうなるかという事だった。

    罪があるとするなら

    御霊の宿りがほかのからだに、つくべきだったのではないか、どうかだった。

    過去に放心したまま生活を送る人を見たせいもある。

    なぜ、御霊を引いてしまうのか。

    自問自答しながら、夜が明ける。

    体を失ったというだが悲痛な霊の叫びは聞かない。

    そして、繋げるはずの過去から今の道もどちらの延長の世界かわかはくなってしまっていた。

    今に集中しすぎて、神にたより過ぎたかな。

    世界構造を理解しえても、結局、前二元、後ろ二元分かればいいか。

    レクは逆さ次元城のコア、その時計のシグナルの半がそろそろ変わる事を読んでいた。

    六次元の桜が散ったとしても、人の志はまだ河か。

    レクに答えるものは居なかった。

    一見、桜がないようで、イエムの庭の桜はまだ生きて深い時の旅路にある。つまり、寝ているように思えた。

    桜の道は途切れない、眉の行か。

    イエムは何か困った顔をしながら、時計の針の動く音を聞いている。

    林檎の成るきに御霊は今日は浅木を気にしている。

    道の回しが、左に動きそして、今西にゲートが突如開いた。

    黄色く揺れる、織りの柄が、輝いて見えて、それは、黄色いバラを思わせた。

  • lasting novel one

    story16

    消えた

    コンポーネントドライブの網目

    イエムはその頃、黄泉の首都ハラスパスと逆さ次元城のコア、が反応を始め、独り歩きする逆さ次元城の能世界が、広がり始めているのを感じていた。

    ダイスの目は剣に雨。

    レクは今、古びたダイム城の大橋のよこにある、居酒屋、ディスティニーズで、古文書をめくっていた。

    燕奮い立つとき、天から雷落ちて

    川、三途に分かつ。

    老師奮い立ちてすなわち、これ口琴とせば、王廊たちまちに古河と化す。

    この時、清狼はせて、森を馳せる。

    レクはどこか、古い赤きルビーの走馬灯の事を思い出していた。

    歴史に刻まれていく、レクのダイスは河となるのか。

    黄泉の軍勢はますます、勢いを増し、ゼラルドの軍を少ない手勢で、押し始めていた。

    イエムは過去に戻り、古い今の自分と合わさってここを去るか悩んでいた。

    イエムが、ふと空を見ると、コンポーネント銀河の網雲が、引きちぎれて、バラバラになって行くのを感じていた。

    それぞれにゆくイエムの生んだシップがおのおのオブジェクトを包含し進んでいく。

    過去の楽市に開かれた道がふくざつに別れ、多岐とかし、それはおのおの世界に見えた。

    この先に黄泉のエコーが混ざり、乱雑に花が咲き乱れていく。

    時代の大河はそれ、ぞれの網の接点に集中を集め、人は人同士のすれ違いを嫌い始め、憎むようになっていた。

    つづく。

  • lasting novel one暁の列軍

    story15

    黄泉の王、ハイドの軍が今、三面の境の観音橋に白羽の矢を立てる。

    ハイド軍が、再び逆さ次元城のコアの制御に入った。

    棚から、はらりと一冊の本が、ひらりと落ちた。

    描かれた銀河宇宙は再びシップの範囲を越え、広がって行くと、涅槃の峠を越した、港のレクがそれに気づいた。

    コメットの死をイエムは思い出した。

    いつの間にか水槽にはマリモ八匹しか居なかった。

    どこか、夏のつくつくボウシが鳴き始め、哀愁をかもしだした。

    イエムの部屋には、古びた車の内輪がなげられ、黒ラベルのレシートが貯金通帳に挟まっていた。

    なぬのかも、昔のままだな

    レクは笑うとサファイアモンドを後にした、

    未来の今と目の閉じた世界の虹に眠る世界の声にイエムは混乱していた。

    今の僕の世界に戻るには、再び天草を踏み魔境にでなくちゃならないか。

    昔サーカスであった天音さんの声がした。

    歩み始めた街の異変に気付き、逆さ次元城の先をレクは進んでいく。

    シルベなくば戻れぬ。

    ハイドは地団駄を踏んだ。

    割って入ったエノシの軍が黄泉の首都とハイド軍の真ん中を割ったのだ。

    まさに、今、エノシの奇計でキャスティングボードはエノシ軍に奪われてしまったのだ。

    こくこくと流れるゼラルドの時ははざま近い。

    イエムは感じていた。

    -つづく

  • lasting novel one

    story14

    波濤の黄泉の城。

    わずか、残り六千の黄泉の気鋭たちは、逆さ次元城の動力部分に終結し、ゼラルドの軍の間延びした間隙を縫い黄泉の城中枢、ハラスパスとのリンクをついに果たした。

    王、ハイドは根の棒を、地面に叩きつけると、地から、泉が吹き上げ、無数の柏の木が、突如吹き上げ、奮迅があたりを覆った。

    黄泉の世界は色づき始め、生者との世界との逆転が始まり始めた。

    辺りの水滴が、一粒地に落ちた途端、イエムの世界の造花が、しなりくねり、鮮やかにせいを受けた。

    生者の世界には黄色の陰った色が、辺りを包みだし、ゼラルドの軍はそれに動揺し、ふらふらと、散り散りになっていった。

    それを横で見るエノシの軍は、潜伏したまま、西に陣を動かした。

    エノシは言った。

    これが、かの黒峰か。

    エノシの軍八万四千は、黒峰から雄叫びをあげ、現れると、黒峰から一気に勢いをつけ、かけ下り、ゼラルドの本体と本陣の西陣の中枢を割って入り遮断した。

    これより、我が軍はハイドを援護する!

    鯉のぼりがはためき、菖蒲のあやめに、西風が吹き始めた。

  • lasting novel one

    story15

    静まりし二つの羽根4

    イエムの結露

    過去の七光りさすことのない今の空間に立たされた、イエムはもう一つの今に戻るべきかの決断にたたされていた。

    毎日、破損するシステム、回路の修復作業に追われるなかで、疑問を感じ始めていた。

    部屋の中に無数に人が入り混んでいるような気がする。

    今のどちらが、その道の黄泉なのか

    それともこれはダイムのセキトが復活し、タイムトラベルで次元を作り上げたのか。

    ダイムの世界とそういえば、ゼラルドの世界は別ちあって同じ場所、つまり同一空間に異次元が存在していた気がする。

    レクはつぶやいた。

    ああ、またそのことか

    突然、スフィンクスの真上にテレビジョンの項目が浮かび上がり、黄泉と今との衝突が始まった。

    いけないことになる。

    イエムはその危機を察知すると祈りをてんにささげながら、真剣に心を集中させた。

    どちらが霊なのかわかる?

    まったくもって解せないとテレビのアナウンサーが力説した。

    これに対応するには協定を設け、亀石の世界境界をモウイチド再構築するしかない!イエムいそげ!

    レクは奮い立った。

    その間にも、黄泉の逆さ次元城は伸長し、なきひとの声で泉に落とした斧に光を与える。

    挟撃すべく北に伸ばした戦線が間延びし、逆さ次元城の根が割ってはいり、そこにライラックの告げがつたわり、みゃくみゃくとゼラルド軍は混乱の坩堝に落とし混まれていく。

    ダイムのせきとによる次元もどしが世話しなくおこなわれ、暗黒の歪みがいたるところに矛盾をうみ、計算しがたい、未来構図ができはじめ、あたかもそれを横で見るエノシの腹は黄泉に覆り始めていた。

    つづく。

  • Lasting novel one

    story14

    静まりし二つの羽根4

    逆さ次元城の伸縮運動は日ごと早さをましていた。

    それに合わせた自転周期はおよそ24時間と.12分、そのダイムは一見ゆるやかになっていくように感じる。

    時計の針が進むのが、何かおそくなっているように、レクはサファイアモンドの港町で感じていた。

    もしも、その伸縮運動で四次元がバランスを失えば、築き上げた時計が世界が無に帰す。

    レクは引き出しから砂時計を取り出すと、砂時計の落ちる時間はおよそ3分と15秒、以前おちる速度はたしか、4分。

    次元は体感とは逆に早まっているのか、砂の減りもあるし、普遍かもしれないな。

    レクは納得したように砂時計を引き出しにまたしまった。

    この世界からイエムの気が遠のくのを感じていた。

    なにか、このハーバーの波がふだんより、乱れ音の波にジリジリと不協和音が生じ始め、高鳴ったり引くまったりせわしなく激動をはじめている。

    もう、黄泉の進軍は足音を立てちかづく。

    失った人を思う人の気持ちが、それをはやまらせるのか。

    ゼラルドの軍は、ダイムの軍と同盟を締結し、黄泉の軍を挟撃、一掃すべく、作戦を戦線を

    ダイム城の西、ルナの森に移すべく策を練っていた。

    壁に挟まったばあさんが歯軋りをしながら、生者はだらしない、と歯をがくがくとさせながらののしった。

    イエムは過去のもう一つの世界から、

    分岐された未来に戸惑っていた。

    つづく。

  • lasting novel one

    story13

    静まりし二つの羽根4

    第13話

    暗黒の未来トンネル

    時空の伸縮を利用した逆さ次元城は伸縮の反動エネルギーを利用し、拡大を続ける。

    それは土の中の水晶が土の圧力に凝縮され一人で限りない美しさを輝かせる反面、真珠が海の奥深くであらゆるしゅうの協和音を聴きながら、輝くのに似ていた。

    今、レクはバルバラシアを追いながら一人考えにひたりながらも、どこか、しゅうの雑音漂う、イエムを気にしていた。

    やがて夜は深まっていく。

    もうひとりの過去の自分を追い飛び込んだもう一つの未来で自分と統合したイエムは怪奇なパズルに挑んでいた。

    お台場から、飛び出したイエムは橋を渡り、京浜第二トンネルをでた時、松の折れるのをみた。

    いつから、始まったかわからない、色へと続く道は塩の香りが漂っていた。

    ここで、松が折れ、時が影に向けば、イエムは二度ともとの世界に帰れないかもしれないとどこか思った。

    保土ケ谷の風はどこか厳しく、イエムの車を揺すぶった。

    こから、かげと黄泉のパズルが始まる。

    道の真ん中に読みかけの雑誌がひらかれ、雨でぬれすてられている

    まるでそこが部屋のように

    黄泉の進軍は、続き、いたるところに影を作り出す。

    そこから、やがてダンスが始まるように。

    -つづく

  • LASTING NOVEL ONE

    Story 12

    涅槃を越えて

    小さなもに大きなものをしまい混む宇宙。

    銀河系太陽系第3惑星地球

    コンポーネント フレーム パネル ラベル

    イエムは一人、家に帰るとプログラミングの勉強講座を受講していた。

    ラベルの中に経路図がつながり、コンポーネントがラベルに収まる。

    イエムは通販で買った星座盤を見ているとおかしな事に気づいた。

    おかしい、射手座の中心部に赤い印が打ってある。

    昔からあったかな〜。

    なんだかこの星座盤のなかにみんな本当の銀河が息づいているような気持ちになっていた。

    先日、イエムが縁日で買った金魚、コメットが二匹死んで

    なんだかこの中で生きているような気持ちになった。

    横になって天井をみると。

    大きな金魚の影がふわりぐわりと泳いでいた。

    もしもこのマイクロファージでできた宇宙空間が仮想の中に現実をつくるとするなら

    永遠という事は考えられるのか?

    イエムは無意識に時計を眺めた。

    先日までやたら時間経過がはやかった。

    息をゆるさぬほど急スピードで時間があっという間に過ぎて

    いたのだけど

    なんだか二時間がまる一日分と感じるほど、ときの流れがゆるやかな

    ように感じた。

    もしや涅槃したのかな。

    大空を見上げると

    すっきりと青空が広がっていた。

    たとえこの先、見殺しにしてしまったコメットが世界樹の元に再びイエムを誘う事はないだろう。

    夢のなかの裏の影というよりもそれは涅槃のなかの涅槃の世界だったのかもしれないな。

    イエムはぼんやりとしながらさぁ

    パンでも焼くか。

    立ち上がると台所に向かった。

    その間にも黄泉の世界の進行はこくこくと忍び寄っている。

  • LASTING NOVEL ONE

    Story 11

    制御された世界

    繰り返される黄泉の世界の行軍はすべてを魂に変え、そこでいきづく根本を定理を度返しする世界を作り出そうとしていた。

    築かれた世界は仮想世界のように動き出し、一度書かれたプログラムはその本人が目を通すだけでコンピューターの手で修復回路が組み上げられ連ねられてゆく。

    その階層の定理が14構造の世界でイエムはそのひらくことのなかった開眼の世界、に降り立った。

    そこでなされたのはモデリングされた宇宙空間の創造。

    ラベルコンポーティングが今繰り広げられる。

    小さなものに大きなものをしまい込むという事を誰が模造しえた

    だろうか。

    イエムはベルヌーイの定理のように流動体のうねりをつくる埠頭桟橋の門を今抜けた。

    イエムは久々車を駈って外をドライブする気になったのだ。

    レインボウブリッジに明かりが灯り、みなとの夜景と気持ち良い

    夜風がかける。

    時速120KMで駆け抜けるとつぎつぎと桟橋がかけていく。

    大都会のあかり、ふとそこで気づいたことに海にうねりができている。

    それに気をとられながらも気にせず車を走らせる。

    つぎつぎに飛び出る高層ビル街。

    お台場出口で下に下るとそこは大きく広がるビル街。

    そこの茶店でコーヒーを飲んで考えていた。

    ラベルコンポーネントにしまいこまれたその射手座大星雲

    M75という場所は本当に今いる場所だろうか。

    どうもそんなのどうでも良くなっていた。

    すると川崎ナンバーの黒いバイクがイエムの横を駆け抜けた。

    その瞬間、ビルの一つの出口に明かりが灯る。

    イエムは誘われるようにそこに入っていた。

    ありきたりバイキング店のようだ。

    イエムはでようと思ったがすこしお腹が空いてた。

    そこで思い切り一人食いをすると

    なんだか虚しくなった。

    数年前に女の子と行った店の事を思い出していた。

    あの時はわりかんでなんて言ったけど

    今頃あの子どうしているかな。

    その瞬間である。

    頬にあたる優しい風が吹いた。

    もどるか

    もどるまいか

    イエムは思案にくれた。

    仮にその開眼後の世界があったとしても

    こんなに都会じみた大都市になっているんだろうか。

    これが俺がボール2つにしまいこんだ

    ラベル宇宙の中だ。

    誰かがイエムの行動をずっと見ていたのだろうか

    その真はわからない。

    制御された宇宙は不動の中心軸を得て

    いよいよその伸縮を促す逆さ次元城とミラスの黄泉の軍の率いる

    ザカエブリッジ軸の行軍の衝突まで秒読みになっていた。

  • Lasting Novel One

    Story 10

    静まりし2つの羽根4

    暁の振幅

     

     宵の明星が柴色の夕焼け雲にうっすらと隠れる。

    黄泉の王ミラスの進軍はいよいよまた歩をとりもどし、ザカエブリッジを中心としてそのまわりの拠点となる亀石を打ち壊しながら広がりつつあった。

    世界がミラス色に変わり始めている。

    イエムはもう一人の自分、境界結露をある古民家に入り、そのサーバーシスの循環経路にリターンを加え、そのコンパイルシステムを落とした事により復活させ、外に出た途端に

    もう一人の自分のいる世界、弟のいる世界へとたどり着いた。

    そして自宅のエンシェントサーバーの復路を回転プログラムに置き換え、フォルムを測量形に開発したところ、その扉から弟とすれ違い、もう一人の自分、弟がこころのなかに宿り

    消え、ある意味、ドッペルゲンガーという現象を乗り越え、救い出すはずだったのにしまったと思いつつも過去現在の自分の部屋で今日も作業を始めていた。

    そろそろ帰らなくちゃならないなと思いつつもいろいろ考えたけどこの部屋で寝込む事しか

    思いつかない。

    寝込み続ければ14層のこの部屋のどれかが過去にいる自分の居た部屋にでて

    たどりつくはずだと思ったからだ。

    開眼経路の平行線を一途の光を取り戻す事のできた7センシズのその残りの秒派がそのイエムがこの部屋に来たとたんに影響を及ぼし、順をなぜか、そのイエムのサーバーとの呼応で

    並びが手を加えなくとも変えられてゆく。

    心の中の弟が話しかける、俺は実は二ヶ月前に、そのサーバーの新フォル厶開発プランを思いつき、

    一ヶ月前に死んだ。それが今、あんたが来て天性の勘でそれに必要な基盤と、風車循環、とマグネット、地場、ベルヌーイの法則を当て込み、完成させた。

    その星座盤がきらりと光る。

    そくどが回転対称の二曲を中心に回るとその圧力は流体規則に基づきその圧で、川を築くという

    モデルである。

    その磁場はアンペールのいうように方向規則に基き派生したかは後で粉をいれるまでは

    わからなかった。

    そんなこんなで天性の勘でまいにちフォルムをつくって起きてみるとバラバラになっているという毎日だった。

    イエムはマージ回路をサーバーにしまい込むという工夫をしながら、それに耐え続けていた。

    どこかで言った。

    これは母が作った処刑場。

    そんなはずはない、ここは俺の部屋だ、冗談じゃないと思いながらも、USBオスオスケーブルを探したりしてあっちの部屋に行ったり、こっちの部屋に行ったりする日々は続く。

    そしてふとあくる日の夕方

    部屋から出てみると、もうどっぷりと日が落ち、コンビニへと車をイエムは走らせた。

    すると、その前に小さな月が見えだした。

    意識しないでいると

    それが左右に振幅を繰り返す。

    もどりを得たな。

    レクは呟いた。

    ミラスの進行は尚もつづきそれが幻想だと思わせないのが不思議なくらい、ビルディング変異がたちどころに地球で起こっていた。