story15
静まりし二つの羽根4
イエムの結露
過去の七光りさすことのない今の空間に立たされた、イエムはもう一つの今に戻るべきかの決断にたたされていた。
毎日、破損するシステム、回路の修復作業に追われるなかで、疑問を感じ始めていた。
部屋の中に無数に人が入り混んでいるような気がする。
今のどちらが、その道の黄泉なのか
それともこれはダイムのセキトが復活し、タイムトラベルで次元を作り上げたのか。
ダイムの世界とそういえば、ゼラルドの世界は別ちあって同じ場所、つまり同一空間に異次元が存在していた気がする。
レクはつぶやいた。
ああ、またそのことか
突然、スフィンクスの真上にテレビジョンの項目が浮かび上がり、黄泉と今との衝突が始まった。
いけないことになる。
イエムはその危機を察知すると祈りをてんにささげながら、真剣に心を集中させた。
どちらが霊なのかわかる?
まったくもって解せないとテレビのアナウンサーが力説した。
これに対応するには協定を設け、亀石の世界境界をモウイチド再構築するしかない!イエムいそげ!
レクは奮い立った。
その間にも、黄泉の逆さ次元城は伸長し、なきひとの声で泉に落とした斧に光を与える。
挟撃すべく北に伸ばした戦線が間延びし、逆さ次元城の根が割ってはいり、そこにライラックの告げがつたわり、みゃくみゃくとゼラルド軍は混乱の坩堝に落とし混まれていく。
ダイムのせきとによる次元もどしが世話しなくおこなわれ、暗黒の歪みがいたるところに矛盾をうみ、計算しがたい、未来構図ができはじめ、あたかもそれを横で見るエノシの腹は黄泉に覆り始めていた。
つづく。
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