lasting novel one

story16

消えた

コンポーネントドライブの網目

イエムはその頃、黄泉の首都ハラスパスと逆さ次元城のコア、が反応を始め、独り歩きする逆さ次元城の能世界が、広がり始めているのを感じていた。

ダイスの目は剣に雨。

レクは今、古びたダイム城の大橋のよこにある、居酒屋、ディスティニーズで、古文書をめくっていた。

燕奮い立つとき、天から雷落ちて

川、三途に分かつ。

老師奮い立ちてすなわち、これ口琴とせば、王廊たちまちに古河と化す。

この時、清狼はせて、森を馳せる。

レクはどこか、古い赤きルビーの走馬灯の事を思い出していた。

歴史に刻まれていく、レクのダイスは河となるのか。

黄泉の軍勢はますます、勢いを増し、ゼラルドの軍を少ない手勢で、押し始めていた。

イエムは過去に戻り、古い今の自分と合わさってここを去るか悩んでいた。

イエムが、ふと空を見ると、コンポーネント銀河の網雲が、引きちぎれて、バラバラになって行くのを感じていた。

それぞれにゆくイエムの生んだシップがおのおのオブジェクトを包含し進んでいく。

過去の楽市に開かれた道がふくざつに別れ、多岐とかし、それはおのおの世界に見えた。

この先に黄泉のエコーが混ざり、乱雑に花が咲き乱れていく。

時代の大河はそれ、ぞれの網の接点に集中を集め、人は人同士のすれ違いを嫌い始め、憎むようになっていた。

つづく。

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