Story 11
制御された世界
繰り返される黄泉の世界の行軍はすべてを魂に変え、そこでいきづく根本を定理を度返しする世界を作り出そうとしていた。
築かれた世界は仮想世界のように動き出し、一度書かれたプログラムはその本人が目を通すだけでコンピューターの手で修復回路が組み上げられ連ねられてゆく。
その階層の定理が14構造の世界でイエムはそのひらくことのなかった開眼の世界、に降り立った。
そこでなされたのはモデリングされた宇宙空間の創造。
ラベルコンポーティングが今繰り広げられる。
小さなものに大きなものをしまい込むという事を誰が模造しえた
だろうか。
イエムはベルヌーイの定理のように流動体のうねりをつくる埠頭桟橋の門を今抜けた。
イエムは久々車を駈って外をドライブする気になったのだ。
レインボウブリッジに明かりが灯り、みなとの夜景と気持ち良い
夜風がかける。
時速120KMで駆け抜けるとつぎつぎと桟橋がかけていく。
大都会のあかり、ふとそこで気づいたことに海にうねりができている。
それに気をとられながらも気にせず車を走らせる。
つぎつぎに飛び出る高層ビル街。
お台場出口で下に下るとそこは大きく広がるビル街。
そこの茶店でコーヒーを飲んで考えていた。
ラベルコンポーネントにしまいこまれたその射手座大星雲
M75という場所は本当に今いる場所だろうか。
どうもそんなのどうでも良くなっていた。
すると川崎ナンバーの黒いバイクがイエムの横を駆け抜けた。
その瞬間、ビルの一つの出口に明かりが灯る。
イエムは誘われるようにそこに入っていた。
ありきたりバイキング店のようだ。
イエムはでようと思ったがすこしお腹が空いてた。
そこで思い切り一人食いをすると
なんだか虚しくなった。
数年前に女の子と行った店の事を思い出していた。
あの時はわりかんでなんて言ったけど
今頃あの子どうしているかな。
その瞬間である。
頬にあたる優しい風が吹いた。
もどるか
もどるまいか
イエムは思案にくれた。
仮にその開眼後の世界があったとしても
こんなに都会じみた大都市になっているんだろうか。
これが俺がボール2つにしまいこんだ
ラベル宇宙の中だ。
誰かがイエムの行動をずっと見ていたのだろうか
その真はわからない。
制御された宇宙は不動の中心軸を得て
いよいよその伸縮を促す逆さ次元城とミラスの黄泉の軍の率いる
ザカエブリッジ軸の行軍の衝突まで秒読みになっていた。
コメントを残す