Story 12
涅槃を越えて
小さなもに大きなものをしまい混む宇宙。
銀河系太陽系第3惑星地球
コンポーネント フレーム パネル ラベル
イエムは一人、家に帰るとプログラミングの勉強講座を受講していた。
ラベルの中に経路図がつながり、コンポーネントがラベルに収まる。
イエムは通販で買った星座盤を見ているとおかしな事に気づいた。
おかしい、射手座の中心部に赤い印が打ってある。
昔からあったかな〜。
なんだかこの星座盤のなかにみんな本当の銀河が息づいているような気持ちになっていた。
先日、イエムが縁日で買った金魚、コメットが二匹死んで
なんだかこの中で生きているような気持ちになった。
横になって天井をみると。
大きな金魚の影がふわりぐわりと泳いでいた。
もしもこのマイクロファージでできた宇宙空間が仮想の中に現実をつくるとするなら
永遠という事は考えられるのか?
イエムは無意識に時計を眺めた。
先日までやたら時間経過がはやかった。
息をゆるさぬほど急スピードで時間があっという間に過ぎて
いたのだけど
なんだか二時間がまる一日分と感じるほど、ときの流れがゆるやかな
ように感じた。
もしや涅槃したのかな。
大空を見上げると
すっきりと青空が広がっていた。
たとえこの先、見殺しにしてしまったコメットが世界樹の元に再びイエムを誘う事はないだろう。
夢のなかの裏の影というよりもそれは涅槃のなかの涅槃の世界だったのかもしれないな。
イエムはぼんやりとしながらさぁ
パンでも焼くか。
立ち上がると台所に向かった。
その間にも黄泉の世界の進行はこくこくと忍び寄っている。
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